【レビュー PIST6 2024年度⑦】黒瀬浩太郎が圧巻の走りで完全制覇!

2024.05.23

レース,選手

PIST6 2024 5月 第3戦は5月22日(水)に最終日が開催された。決勝戦には現行競輪でも機動型として活躍する若手5名にソツない走りを披露したベテラン1名が勝ち上がってきた。タイムトライアルで自己ベストを更新した黒瀬浩太郎が一次予選から圧巻のパフォーマンスを連発して、勢いそのままに決勝でも躍動。併走で包まれる苦しい展開も残り1周から強烈な仕掛けでライバルを蹴散らして通算2度目の優勝を完全Vで決めた。

決勝戦のスタートポジションは先頭から黒瀬浩太郎-塩崎隼秀-荒川仁-常次勇人-藤岡隆治-小畑勝広。レースは残り3周前で最後方の小畑が上昇して切るとその上を常次が叩いて先頭に立つ。常次の後位は小畑と藤岡で併走、その後ろも内に黒瀬、外に荒川でもつれる展開に。すると残り2周1センターで黒瀬と荒川が接触して荒川が藤岡の後輪にハウスして車体故障となり外へ浮く。煽りを受けて藤岡が少し踏み遅れると黒瀬は単独の3番手に。残り1周となった所で黒瀬が反撃を開始すると快速を発揮。逃げる常次をバックで捕らえると後続を引き千切ってゴールした。

「接触した所で失格の文字が頭をよぎりました。いつでもまくれる感じはしたけど、1回落ち着いてからいきました。正直、すっきりしない勝ち方。気持ち良く優勝したかった。素直に喜べない優勝ですね。ただ今回から換えた部品が思いの外、良かったですし、次開催とは言えないですけど、近いうちに9秒台は狙えそうですね。次開催もきっちりと勝ち上がって決勝ではねじ伏せる走りで気持ち良く優勝したい」

 今開催を含めてPIST6は7度目の出場。4月の第4戦で初優勝を遂げた勢いを保持したまま今開催に参戦して連続での優勝を決めた。学生時代に磨いたスプリント力を武器に着実に成長を遂げている。過去確定板を逃したのは2度でいずれも決勝だけと、勝ち上がりでは抜群の安定感を誇っている。タイムトライアルでは10秒台を切りそうなタイムに近づいているだけに次にPIST6を走るときには9秒台を叩き出すかもしれない。

『順位決定戦では押し切りが多発した』
 2日目のナイト・順位決定戦では前3走で力を出し切れなかった選手たちがうっ憤を晴らすかのような逃走劇が目立った。7レースで本多哲也が内抜き先行での逃げ切りを皮切りに8レースは大森光明が、9レースでは佐藤朋也が河村雅章と踏み勝ち押し切り。10レースは田口勇介が残り2周を踏み切るロングスパートと、積極的に仕掛けた選手が勝ち星を手にした。常次勇人は7度目の出場で初めての決勝進出。121期の中でも将来を嘱望されている選手なだけにPIST6で初優出を決めた勢いを現行競輪にもつなげてもらいたい。

                        ©株式会社日刊プロスポーツ新聞社

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次回開催は5月25日(土)と5月26日(日)。『PIST6 2024 スプリングステージ 5月第4戦が行われる。

PIST6 2024 スプリングステージ 5月第3戦結果はこちら