データで振り返るセカンドクォーター
2022.09.13
PIST6 Championship 2022-23の「セカンドクォーター」は木村皆斗(茨城)による20歳での最年少優勝で始まり眞杉匠(栃木)、永澤剛(青森)、福永大智(大阪)による3場所連続となる初出場者の完全V、最後は再び木村に栄冠が輝く形で幕を閉じた。様々なトピックのあった全10開催をデータも交えて振り返る。
勝率100%は5選手、2度Vの木村は83.3%
セカンドクォーターには全部で228人の選手が出場。勝率トップに立ったのは中島詩音(山梨)、神山拓弥(栃木)、福永大智(大阪)、永澤剛(青森)、眞杉匠(栃木)の5人でいずれも100%だった。それぞれ出場は1回しかないものの、オール1着で頂点をつかんだ。特筆すべきは福永、永澤、眞杉の3人。ラウンド5の眞杉からラウンド6の永澤、そしてラウンド7の福永まで初出場選手による完全優勝が続き、「250m走路は緊張する」と話す選手もいたが、経験者を押しのけてトップに立つ姿は新風を感じさせるものだった。
今クォーター優勝2度の木村は83.3%の6位。出場3度で全12レースのうち10レースで勝利したものの、3着と5着が1回ずつあり、無敗とはならなかった。しかしここまで出場4場所連続で決勝進出と安定感を見せており、ファイナルラウンドでは優勝3度の雨谷一樹(栃木)を破った。その際も1次予選3着ながら、フォームに改善を施して3連勝と修正力は高く、今後のPIST6をけん引していく若き選手の一人となりそうだ。
年代別の勝率ランキングでは、50代で小嶋敬二(石川)が25%で首位。2度の出場で8レースを走り、ラウンド3で自身初めての予選連勝を記録した。出場3場所連続で準決勝に進むも、5着が最高となっており、トップ6入りでさらに存在感を示してほしい。「ファーストクォーター」で50代1位だった市本隆司(広島)は12.5%で2位タイ。出場回数は同じく2回だったが、8走のうち1着は1回と厳しい戦いが続いた。
勝率ランキング
順位 | 名前 | 年齢 | 勝率 |
1位 | 中島詩音 | 24 | 100% |
〃 | 神山拓弥 | 35 | 〃 |
〃 | 福永大智 | 24 | 〃 |
〃 | 永澤剛 | 37 | 〃 |
〃 | 眞杉匠 | 23 | 〃 |
6位 | 木村皆斗 ※ | 21 | 83.3% |
7位 | 雨谷一樹 | 32 | 75% |
〃 | 根田空史 | 34 | 〃 |
〃 | 原田亮太 | 26 | 〃 |
〃 | 山田義彦 | 36 | 〃 |
〃 | 脇本勇希 | 23 | 〃 |
〃 | 伊藤信 | 38 | 〃 |
〃 | 中本匠栄 | 35 | 〃 |
〃 | 佐々木豪 | 26 | 〃 |
〃 | 堀江省吾 | 25 | 〃 |
〃 | 青野将大 | 28 | 〃 |
〃 | 晝田宗一郎 | 23 | 〃 |
〃 | 佐藤友和 | 39 | 〃 |
〃 | 野中祐志 | 35 | 〃 |
〃 | 河端朋之 | 37 | 〃 |
〃 | 高久保雄介 | 35 | 〃 |
※3場所出場。
垣外中が波乱演出、神山は勝負強さ発揮
各レースにおいて車番はタイムトライアルの順位から決められる。そこで独自に車番と実際の着順との差分からポイントを算出し、タイムの上位選手より先着した選手を調査。その中で最もタイム以上の力を発揮したのは垣外中勝哉(大阪)だった。出場したラウンド4ではタイムトライアルを11秒515の34位で終えると、1日目の1次予選では6番車ながら2着に入り、特払い(注1)が発生するレースを演出。2次予選でも6番車で5着と自身の車番を上回ったが、2日目の順位戦で落車棄権となった。
2位にランクされたのはラウンド3の覇者である神山で、タイムトライアルこそ10秒722の18位だったが、開催に入るとオール1着の完全優勝。予選2レースは3番車、準決勝と決勝は5番車だったが勝利を飾り、その勝負強さをいかんなく発揮して3度目の優勝を手にした。
注1 レース成立にもかかわらず、該当選手の出目に投票がなかった場合、その賭け式に投票した車券全てに70円を払い戻すこと
車番と着順 比較ポイントランキング
順位 | 名前 | 年齢 | ポイント |
1位 | 垣外中勝哉 | 51 | 3.33 |
2位 | 神山拓弥 | 35 | 3 |
3位 | 鈴木庸之 | 36 | 2.5 |
4位 | 多田司 | 58 | 2.4 |
5位 | 須永優太 | 34 | 2.25 |
〃 | 原田礼 | 41 | 〃 |
7位 | 守谷陽介 | 42 | 2.13 |
※数値はセカンドクォーターの平均。垣外中は自身の車番と比較して、3.33着分先着していた。
タイムトライアル最速は山田、河端も初参戦で好タイム
セカンドクォーターのタイムトライアルで最速タイムを残したのは、ラウンド5で10秒065を記録した山田義彦(埼玉)だった。山田はこの開催が8度目の出場となり、36選手中、最も重い5.67のギアで臨み自己ベストを0.048秒上回った。2位にはラウンド3で初出場した河端朋之(岡山)が入って10秒068。2018年の世界選手権ではケイリンで銀メダルを獲得した実績にたがわぬ数字を残した。3位には4カ月ぶりに登場となった雨谷で10秒135だった。
セカンドクォーターでタイムトライアル1位選手が、優勝に届かなかった例は6例となり、2例だったファーストクォーターよりも増加した。脚の速さだけではなく、勝利には卓越したレース運びも不可欠と言えよう。
セカンドクォーター優勝者
ラウンド1:木村皆斗(茨城)初優勝
ラウンド2:伊藤旭(熊本)初優勝
ラウンド3:神山拓弥(栃木)3度目
ラウンド4:伊藤信(大阪)4度目
ラウンド5:眞杉匠(栃木)初優勝
ラウンド6:永澤剛(青森)初優勝
ラウンド7:福永大智(大阪)初優勝
PIST6カップ1:曽我圭佑(熊本)2度目
PIST6カップ2:中島詩音(山梨)初優勝
ファイナルラウンド:木村皆斗(茨城)2度目